BLUE LETTER
美しい夏キリシマ
美しい夏 キリシマ美しい夏 キリシマ
(2004/08/27)
柄本佑

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故・黒木和雄監督の自伝的作品。もちろん戦争映画。

黒木監督作品の「TOMORROW明日」、「父と暮せば」とこの作品の三つを「戦争レクイエム三部作」と呼ぶそうで、一応三つとも見たことは見たんだけど、「TOMORROW〜」のほうはものすごく前に見ただけなので、そのうちに見返してみようとは思ってる。

さて、この作品は宮崎県を舞台にしたほぼ終戦記念日あたりの数日間の出来事を描いた映画。
黒木監督作品では当然のように、実際に敵と戦う場面は一切出て来ない。
監督は全ての作品を通して、「戦時中の人々の普通の生活の中に戦争がどれだけ影響を与えていったのか?」ということを伝えたかったんだろうと思うけど、この作品ももれなくその通りで、やっぱりこうやって普通の人間の普通の生活を描くことが、直接的に戦争の殺し合いの場面を描くよりも、ずっとずっと人の心に「戦争の恐ろしさ」を感じさせることができると思う。そういう点では黒木監督は素晴らしい。
この映画でも、美し霧島をバックに、のどかな田舎の、一見戦争とは縁のない様な場所に、戦争によって人生を狂わされた人達の苦しみや悩み、それでも生きていこうと頑張っていく姿が描かれている。

ただ、他の2作品よりもこの作品は、「生と性」を描いているという点に違いを感じる。というのも、数々あるエピソードの中でも、結婚、淡い恋心、不倫、密通というものに焦点をあてているから。戦時中であっても、人々は恋をしたり愛し合ったりしていたわけで、そんな半面、自分の側で死んだ友人のことが心から離れずに、毎日悩み苦しんだりする者もいる。
人間というものはたくましくもあり、もろいものでもあるんだなぁと改めて思った。

俳優さんたちの演技も素晴らしく、見応えがあったのだけど、特に注目したのが柄本明の息子、柄本佑(たすく)。父親と同じく、飄々とした演技が上手くて驚いた。
もちろんほぼ新人なので台詞回しがぎこちなかったりするけれど、16歳という少年は多かれ少なかれこんな風に、何を考えてるのかわからない態度を取りがちなわけで、そういう雰囲気が良く出てたと思う。

大好きな香川照之さんはちょっと情けない役ではあるけれど、さすが!軍服を着せたらピカイチ!だったし(笑)、いいなぁと思ったのが左幸子さん。田舎の百姓のおかみさんにしか見えない。上手すぎる。

何よりもやっぱり、方言が素晴らしいなぁと今回も思いました。さつま弁だそうですけど、九州の友達も結構いる(結構他府県の友達が多い)ので、細かい部分で解らないところはあったけど、ほぼ聞き取れました。恐らく現地の人が聞いたら「あれ!?」って思う程度だろうとは思うけど、私には耳に心地良かったです。方言フェチだなぁ、私。

やっぱり戦争ものの映画って、重いので続けて見るのはしんどいんで、先日見た「ヒロシマナガサキ」の後はさすがに辛いなぁと思って、見ずに返却しちゃおうかという考えがよぎったのは事実です。
でも、頑張って見てみて、やっぱり黒木監督の映画は良いなぁと改めて思いました。

また、日を改めて、黒木作品を見返してみたいっす。

テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

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